Ritoの日英翻訳修行

日英・英日翻訳家となるための勉強やためになる情報などを綴るブログ

翻訳に必要な6つのプロセス

f:id:guestroomarunishigaki:20190305165307j:plain

 

今回は、日英翻訳に仕事として取り組む際の、依頼主から原文を受け取り翻訳を完了して提出するまでのプロセスについて学習します。
 

 

 

1 翻訳引き受け〜事前準備まで

 

1)翻訳の依頼主から対象となる原文(ソーステキスト)を入手します。


2)大抵の場合、原文は電子ファイル(ワードファイル又はPDFファイルなど)で送られてきます。


3)原文以外に参考資料が添付されている場合があります。(用語集やテーマに関する資料など)


4)依頼主から全てのファイルが届いていることを確認したら、PC上に依頼主の名前をつけたフォルダを作成し、その中に全てのファイルを保存します。


5)作業用ファイルを作成し、翻訳作業を開始する。作業用ファイルも4で作成したフォルダに保存します。

 

 

 

2 ソーステキストを通して読んでみる

 

 ソーステキストを入手したら、いきなり頭から訳し始めるのはあまりおすすめできません。提出までの期限などあり、気が急いてしまうかもしれませんが、急がば回れとも言います。訳出し始める前に以下の手順を踏むと良いです。

 

1)精読の前に、通読を。

ソーステキスト全文を通して読むことにより、どういうテーマで、どういったことが書かれているかを把握することができます。自分の得意なテーマか、あまり馴染みのないテーマか、など。それにより、その後に必要な作業を想定することができます。

 

2)必要なリサーチはなにかを考えます。

扱うテーマ、訳出しなければならない語句、特に固有名詞や専門用語などが見つかった場合は、正確に翻訳するためには必要なリサーチが必要になります。この段階では、どういうリサーチに、どれくらいの時間や労力が必要になるかを概観します。

 

3)翻訳文の文体を決める。

ソーステキストの内容や文体に応じて、翻訳文の文体を書くことが大切です。社内報、伝記、マニュアル、小説、など、通読することにより原文に合った翻訳文のスタイルを決めることができます。

 

■POINT  他にもある通読のメリット!!
ソーステキスト全体を通して読むことのメリットは上記以外にもあります。

 

 ソーステキストの文中に明らかにミスと思われる箇所を見つけた場合、前もって、依頼主に知らせたり、確認することができます。
  • 数字や単位のミス
  • 漢字変換ミス
  • 人名や固有名詞のミス
など

 

 

 

3 必要に応じてリサーチ

 

翻訳作業をスムーズに行うためには、事前のリサーチが欠かせません。一昔前と比べて、私たちの周りはありとあらゆる情報検索の手法で溢れています。様々なツールの中から、自分の翻訳作業に適した情報収集の方法を選択することが大事です。

 

1)紙媒体の情報ツールを利用する。

辞書、辞典、専門書、産業別辞典、など。

 

2)依頼主が提供する用語集や参考資料

依頼主が訳出の際に使って欲しい訳語の用語集や、テーマに関する参考資料を提供している場合は、こちらも役に立ちます。

 

3)オンライン(インターネット)を利用する。

インターネットの検索エンジンを使用すると、世界中のコンピューターに接続されたありとあらゆる情報を検索することができます。また、翻訳に特化するのであれば、オンライン英英辞書、広辞苑、翻訳サイトなどもたくさんあるので、参考にすることができます。

 

4)自分だけの用語集を作成する。

文量の多いソーステキストを翻訳する場合や、比較的長期間にわたって作業しなければならないような場合は、同一の表現や単語が頻出する場合があります。そのような場合は、ノートやパソコンに自分専用の用語集(Glossary)を作ることにより、効率的に作業することができます。

 

 

上記の他にも、電子辞書や新聞、業界紙、など参考になる情報ツールがあると思いますので、自分の作業に合った情報ツールを見つけるとよいと思います。 

 

 

4 下書きを書き始める

 

ここまでの作業が済んで初めて、ソーステキストを訳し始めます。翻訳する際には、ソーステキストを段落ごとに精読し、原文の本意を的確に把握しなければなりません。その上で、次のことに注意を払う必要があります。

 

  • 文体、語調、語彙が、適切かどうか。 
  • スタイルや語彙が、翻訳された文書を読む人に合ったものであるかどうか。

 

■POINT  下書きを書いたら時間をおいてからチェックしてみる!!
1度目の下書きを書き上げたらすぐにチェックせず、(時間に余裕がある場合は)しばらく経ってから見直しと書き直しをする。そうすることで、より冷静かつ客観的に文章を眺めることが出来ます。

 

※自分以外に下書きをチェックしてくれる人がいる場合は、プルーフリーディングをお願いする。

 

 

 

5 必要に応じて下書きを書き直す

 

以下の3点に気をつけて、下書きを必要なだけ見直します。

 

1)文法の正確さ

2)数字の正しさ

3)用語や文体が首尾一貫して統一されているか

 

 

  • 原文の同じ単語に対して、異なった訳語がつけられていないか。
  • 数字の桁を間違えていないか。
  • 文体が段落によって、或いは最初と最後で異なっていないか。

  など・・・ 

 

 

6 完成版の翻訳を納品する

 

 注意深く原文全体を見直し、修正箇所が見当たらなくなったら、いよいよ翻訳の完成です。完成品とわかるようにファイル名をつけて、依頼主に納品します。

 

 

今回は、ソーステキストや参考資料を入手することから、事前の情報収集、下書き、見直す場合の注意点、納品と、翻訳に必要な6つのプロセスを勉強しました。

 

 

(了)