Ritoの日英翻訳修行

日英・英日翻訳家となるための勉強やためになる情報などを綴るブログ

英文ライティングの基本ルール〜その2

f:id:guestroomarunishigaki:20190305165307j:plain

 

 

英文ライティング基本ルール(続き)

 

日本語(Source Language) から、英語(Target Language)に翻訳する場合に、良い翻訳と悪い翻訳があると思いますが、この違いはどこから生じるのでしょうか。

 

 

質の高い英文は、語彙の選択が適切で、文法や語法が正確であるのは言うまでもないことですが、さらに英文を書く上で基本的なルールがきちんと守られていることが大切です。

 

また、基本的ルールに即して書かれた英文は見た目も美しく、声に出して読んでもリズミカルで心地よいものだと思います。基本ルールと言っても、決して難解なものではなく、ちょっとした配慮と工夫で達成できるものだと思います。

 

今回は、前回の投稿に引き続き、日英翻訳に必要な技法の中から、質の高い英文を書く(英文に訳す)際の基本ルールを勉強します。

 

《関連記事》

www.rito-english.xyz

 

 

 

1 英文では、同じ表現を出来るだけ繰り返さないようにする

 

あいまいさを避けようとするあまり、同じフレーズや単語を繰り返し使用する場合があります。例えば、原文(日本語)の中に長い固有名詞や同じフレーズが繰り返されている場合、代名詞(「それ」や「あれ」など)を使って繰り返しを避けることもできますが、そうすると文意があいまいになるので、なんども同じ単語を使用するケースです。

 

まあ、日本語の場合だとそれでもいいのかも知れませんが、英文に翻訳する際にも同じ単語やフレーズを繰り返し使用すると、ネイティブにとってわかりにくい英文と映るようです。

 

  

2 文法的に完全な文章となるようにする

 

日本語の文構成の特徴として、主語や動詞が省略されるケースが案外あるようです。日本人であれば、省略されていても文章を読めば自然と何(又は誰)が主語かを瞬間的に理解できるでしょう。

 

では、その主語や動詞が省略された日本語を英語に翻訳する場合はどうでしょうか。英語の文章では、通常「主語」や「動詞」或いは「述語」が省略されることはありません。文脈からどちらとも取れるような文章では、原文の意味と違う誤訳がされてしまう危険があるので注意が必要です。

 

 

3 名詞の単数・複数を理解し、正しく使い分ける

 

これは、文章にするのは簡単ですが、実際に実施するのは以外に困難です。

文章の中に出てくる名詞が表すものが、単数であるか、複数であるか、或いは、どちらでもあり得るのかなどを見極めるのは、実際に翻訳に取り組んでみると思った以上に大変なことがわかります。

 

さらに、名詞が単数か複数かがわからないと、呼応する動詞や代名詞を正確に表記することができません。もし、翻訳を依頼された文章の中にある名詞が、単数か複数かはっきり判断できない場合は、場合によっては依頼主に確認する必要があります。

 

 

4 通常の場合、「要点」を先に書くようにする

 

日本語と英語に関して、文章や段落の構成パターンを相互に比べると、面白いことがわかります。日本語の場合、理由や背景が先に述べられ、最後に要点を記述するのが一般的です。その一方で、英語の文章においては、真っ先に要点が告げられ、後に理由や背景が説明されるというパターンが多いようです。

 

日本語パターンと英語パターン、どちらが正しいかという判断は、なかなかむずかしい問題ではありますが、翻訳した文章の読み手が英語ネイティブスピーカーの場合は、要点を先にして、理由や背景は後から補足するライティングが適していると言えます。

 

もう一つ、翻訳文の持つ性質によっても、日本語型、英語型、使い分ける必要があります。技術系の文章を翻訳する場合は、明らかに要点を先に述べる型が適していますが、説得や交渉型の文章の場合は、理由や背景を先に述べた後に、要点を書くのが良さそうです。

 

<まとめ>

 ☆技術系文書(マニュアル、説明書など)の場合は、「要点」を先に述べる。
 ☆説得や交渉に関する文書の場合は、背景や理由を述べた後に「要点」を書く。

 

 

5 名詞句や修飾句を使用する場合は、長くならないよう気をつける

 

特に、技術系文書には、漢字を羅列した単語やフレーズ(表現)をよく見かけます。たいていの場合、このような単語やフレーズを直訳的に英訳すると、名詞句又は修飾句が長くなりがちです。

 

さらに、原文の意図を理解した上で訳さないと、英文の中の修飾関係がわからず、理解不能な文章になってしまうおそれもあります。

 

例として、

f:id:guestroomarunishigaki:20190312171400j:plain

 

という文章があったとして、「うっそうとした」という形容詞が掛かる名詞が「町外れの」か「森」であるかによって、文意は微妙に異なります。

 

このように、原文の文意を理解しないまま、翻訳者の思い込みで英訳をしてしまうと誤訳をしてしまうことにも繋がるので、やはり文意がはっきりわからない場合はきちんと確認する必要があります。

 

 

   

(了)